『勿誤藥室方函口訣』アサダ,ソウハクAsadaSohaku浅田宗伯,1815-1894句読点追補『勿誤薬室方函口訣』条文原書の『勿誤薬室方函口訣』には「句読点」や「括弧」はありません。送りがなは「カタカナ」で表記され、漢字は「旧字体」が使用されています。このほか、濁点は使用されていませんし、送りがなの省略や「こと」「して」「とも」などは省略形の文字により記述されています。このため、いまのものにとっては、どうしても読みづらい感があります。そこで「句読点追補勿誤薬室方函口訣」では句読点や送りがなを調整するなどして読みやすくすることを目的としています。ただ、句読点の位置がはたして宗伯翁の意図と合致しているかは、はなはだ難しいところです。文意がかわってしまう可能性をはらんでいるからです。したがって、本サイトのご利用にあたりましては、原書と照らし合わせながら考証していただければと思います。今後も改訂していく予定です。2005年5月茵蔯蒿湯此の方、発黄を治する聖剤なり。世医は黄疸初発に茵蔯五苓散を用ゆれども非なり。先づ此の方を用ひて下を取りて後、茵蔯五苓散を与ふべし。二方の別は五苓の条に詳らかにす。茵蔯は発黄を治するを専長とす。蓋し湿熱を解し利水の効あり。故に『蘭室秘蔵』の拈痛湯、『医学綱目』の犀角湯にも此の品を用ひて、発黄のみには拘らぬなり。梔子、大黄と伍するときは利水の効あり。方後に云ふ「尿如皀角汁」と、これなり。後世にても加味逍遙散、竜胆瀉肝湯等の梔子は皆清熱利水を主とするなり。但し此の方、発黄に用ゆるは陽明部位の腹満、小便不利を主として用ゆべし。若し心下に鬱結ある者は大柴胡湯加茵蔯、反て効あり。若し虚候ある者は『千金』茵蔯湯に宜し。葦茎湯此の方は平淡にして思ひの外効あるものなり。微熱と胸中甲錯とを目的とすべし。胸に甲錯あるは蓄血あるが故なり。蓄血なくとも咳血のあるに宜し。若し咳嗽甚だしきものは四順散を合して効あり。福井楓亭は肺癰に先づ『準縄』の瀉白散を用ひ、効なきときは此の方を用ゆと云ふ。已椒藶黄丸料此の方は元、腸胃の間に留飲ありて水腫に変ずる者に効あり。四肢の浮腫よりは腹脹満を主とすべし。腹堅実の者には芒硝を加ふべし。此の芒硝は木防已去石加茯苓芒硝と同意にて、実を挫き利水を主とするなり。方後に「渇するものに加ふる」と在るに拘るべからず。茵蔯五苓散此の方は発黄の軽症に用ゆ。小便不利を主とするな...